シルクペルシャ絨毯を選ぶポイント密度織りの密度は、結びの細かさであり、品質のひとつの基準となります。ひとつの基準であり、すべてではないことです。一般的に細かい織りの絨毯が上質とされるように、文様の鮮明度がよくなり、耐久性も向上し、手間がかかる分、価値も高まり、高価なものとなります。日本では絨毯の織り密度は単位面積あたりのノット数で表示される。一方イラン特有の単位としてラジRAJとして表現され、例えば70ラジは7cm辺り70結びが打ち込まれていることを示しております。ここで最も大切なことは織の細かさ(パイルの密度)のみを目安にしない事です。現在のクム産の良いシルク絨毯の密度は平米辺り平均的に100万ノット~120万ノットである言って良いでしょう。これは1cm辺り10ノットから約11ノット結びが打ち込まれていることになります。おすすめできるのは110万ノットから120万ノット(1cm辺り10.5ノットから約11ノット)であり、ミリ単位の織りによって文様の美しさがシルク絨毯に鮮明映し出され、目で確認できる十分な密度だと考えます。もちろんクム産の中には140万ノット(1cm辺り約12ノット)以上のシルクペルシャ絨毯もございますが、結びめの細かさだけが絨毯の良さではありません。色柄(柄、色彩)、材料、織り目の均一において独創的であることを忘れてはいけません。 光沢シルク絨毯の特徴である美しい光沢の秘密は繭糸の構造にあります。絹糸は、蚕が作り出したタンパク質でできた繊維ですがその組織は、セリシン(にかわ質)とフィブロイン(繊維)の二重構造で、繊維の断面は、不均一な三角形になっています。そのため、光が、あたった時に反射角度の違いによって、絹の独特の輝きが生まれてくるのです。良いシルク絨毯は絹の美しい光沢を最大限に活かされるよう、絨毯の最終仕上げ時に表面を刃物で削るシャーリング工程はあり、技術のある職人さんによって行われます。削る強さと向きによってシルク絨毯の光沢は最大限発揮します。上記以外にも使用されているシルクのランクと仕上げ時の絨毯の洗い方も光沢に影響します。 色柄色柄の良さは最も判断が難しいです。まず紋様と色彩において、図柄や色調は各人の好みで選ぶものですが、この紋様と色彩においても工房のオリジナリティーが大切です。工房が古くから織られてきた紋様や色彩には風土と文化から生まれた、優れた工芸品としての価値があります。他の工房で同じような図柄と色彩で織っても模倣にすぎず、その工房が長い歴史のなかで創造してきた紋様と色彩の重厚な絨毯とは言えません。クムのペルシャ絨毯産地としての歴史は浅く、新しい産地ということを有利に生かしデザインや絨毯技術に、他の産地のいいところだけを取り込み、伝統に囚われない斬新さと多彩な色は特徴的です。とくに色数は多ければ多いほど手間がかかり、より高価になります。織工さんにとって数色しかない作品と何十色のある作品では倍の手間と時間がかかるのは事実ですので、使用されている色数は多ければ多いほど絨毯は高価になります。ここで大切なのは、色彩と紋様のバランスが取れていることです。また染料メーカーが指定している公式で染めていること、色の定着率、堅牢度に問題がないことも重要です。 織り目織工さんの腕の出来は絨毯の裏面を見ることで判断できます。織が確かであること、均一に織られていること。製図通りに織られていること。ノット間の隙間がないことないこと。緯糸が見えないこと。良いシルク絨毯は裏面もとても手触りよく、爪で裏のノットを軽く引っ搔くと心地よく、音は比較的に静かです。織り目の違いについての判断には経験が必要になります。 柔らかさシルク絨毯は何と言っても、柔らかさは特徴的で、タオルのように折り畳めることができます。シルク絨毯は柔らかいのがシルク100%の素材はもちろんのこと、織工さんの腕にも関係します。横一列完成したら横糸を縦糸に通し、鉄櫛で下方にパイルをたたき結び目を詰めますが、この詰めるときの腕の強さでシルク絨毯の柔らさが決まります。長期間にかけて常に、一定の力で結び目を詰める作業は至難の業で、忍耐力が必要になります。まさにシルク絨毯の柔らかさは織工さんの性格を表してます。 手触り素材がたしかなシルク天然素材であるかどうか確かめること。シルクは軽くてなめらかな肌触りがあり、人間の肌ととても相性がいいのです。一度触り始めたらやめられなくなるほどの極上の素材です。 以上、6ポイントに気を配ることで、価値のある手織りシルク絨毯を選ばれる事をお薦めします。