玄関にクムのシルクを敷くという選び方 — 動画と長年のお客様の声
先日お電話で「シルクの絨毯を玄関に敷いていいんですか」とご相談がありました。私の即答は「十年お使いの方も普通にいらっしゃいます」という、少し変わったお答えでした。
玄関マットといえば、ウールやギャッベが安心と書く専門店も多いと思います。土足で踏みつけ、雨の日には濡れた靴を脱ぎ、出入りも激しい場所です。私もその気持ちはよく分かります。けれど、長年お客様の玄関を見てきた経験から申しますと、シルクという素材は玄関にこそ向いている、と思える場面が何度もありました。
玄関マットには「ウールが安心」と言われる中で
絨毯のお店をいくつかご覧になった方は、ほぼ例外なく「玄関にはギャッベかウール」と勧められたとおっしゃいます。耐久性、価格、お手入れのしやすさ。どれも玄関に向いた特性です。
ゴレスタンが扱うのはクム産のシルク絨毯が中心で、ウール100%の品はあまり多くありません。「ウールはこちらでは扱わない」という消極的な理由ではなく、「クムのシルクこそ、私が現地で長年見てきた品揃え」という積極的な理由からです。ウール100%をお探しの方には、他のペルシャ絨毯専門店もご検討くださいと、率直にお伝えしています。
その上で、お客様の声を伺うと、玄関にシルクを敷かれた方の感想が、思いのほか強いのです。
目の詰まったシルクが、玄関で強い理由
クムのシルク絨毯は、1平方メートルあたり80万から130万ノットという密度で織られます。糸が細く、目が詰まっているため、表面の起毛が短く、隙間が少ないという特徴があります。
これが玄関でどう効くかは、お客様の声がよく語ってくださっています。
絨毯一枚でこんなに気分が変わるものかとビックリです。玄関敷物二代目ですが、ペルシャ絨毯に変えて、出入りの激しい玄関敷物のチリやホコリ等の汚れ具合が全く気にならなくなりました。目が詰んでるので細かいチリも寄せ付けない。掃除機のみで十分というのも、ペルシャ絨毯の逸品の為せるわ技。
「目が詰んでいるので細かいチリも寄せ付けない」。これは、何代も玄関マットを使われた方ならではの実感だと思います。シルクの細い糸が密に並ぶことで、土足のチリが奥に入り込まず、表面に乗ったまま掃除機で吸えるためです。
もうひとつ、シルクは静電気が起きにくい素材です。化学繊維のマットは出入りで足元にホコリが舞いやすいのですが、シルクではそれが抑えられます。これも、長年お使いのお客様が指摘してくださることのひとつです。
動画で確認してから玄関へ — 遠方のお客様の事例
遠方からネットでご注文いただいたお客様の声です。
無事届いてゆっくり玄関に絨毯置いてみました。とても素敵な絨毯です。沢山の動画を見せて頂きまして本当に安心して購入出来たことを心から感謝しております。
このお客様は、店舗にお越しになる代わりに、動画で何度も実物の様子を確認されてからお選びになりました。動画は、シルクの「角度を変えると色が動く」という特徴が分かりやすく伝わるので、玄関のように毎日違う光で見る場所には、実は動画確認が向いています。
玄関に敷いてみると前からそこにあったかのようにしっくりと馴染んでくれています。華やかなのですが落ち着いていて、見ているだけで気持ちが高まります。この時節、また遠距離ということもあり、なかなか伺うことができませんが、ホームページの動画などで見ることができましたのは大変参考になりました。
毎日の出入りに、小さな景色を添える
玄関が明るくなり、帰った時に素敵な気に入ったものをみて毎日癒されています。向きを変えるとまた違います。
「向きを変えるとまた違う」。これは、シルクの艶の方向性のことを言っておられます。玄関は朝と夕方で光の入り方が変わるため、シルクならではの表情の変化が、毎日の出入りに小さな楽しみを足してくれるのです。
玄関にぴったりのサイズでした。今までのも気に入っていたのですが、明るくなって、気分転換になりました。
玄関は、家の中で最初に目に入る場所です。たった60×90cmの一枚が、毎朝の気分を変えるという感想を、何度も頂戴してきました。
「マットには勿体ない」と思える一枚
本日、無事に絨毯到着いたしました。早速、玄関にひきました。想像以上に素敵で嬉しくなりました。
このお客様は、アルバル工房というクム最上位の工房の作品を、玄関マットとして選ばれました。一見「贅沢すぎる」とも言える選び方ですが、毎日通る場所だからこそ「いい一枚を」というお考えでした。
届きました。凄く上品で、立派なので、マットで使用するのがもったいないくらいに思います。凄くお気に入りになりました。
「マットには勿体ない」というお声を、何度頂戴したか分かりません。お聞きするたびに思うのは、玄関は単なる通り道ではなく「家の顔」だということ。家の顔に勿体ないものを敷きたくなるのは、実はとても自然な気持ちなのではないかと、私は思っています。
出かける時、玄関に行くと目に入る気品漂う色彩はどんなに時間に焦っていても一瞬にしてセレブ感の物腰にしてくれます。背筋がピンと伸びて目線も高くなり、魔法をかけられたマダムとしてお出かけするかの様な気持ちになります。帰宅時、美しいコバルトブルーとそれを囲むゴールドに織りなす輝きが疲れた私を迎え入れてくれます。
このお客様の言葉は、玄関にシルクを敷くという贅沢が、何のためにあるのかを最もよく教えてくださいます。背筋を伸ばして出かけ、疲れて帰ってきたときに迎え入れてくれる場所。シルクのコバルトブルーとゴールドの織りが、毎日の出入りを「日常の儀式」に変えてくれるのです。
玄関に敷くサイズの目安
玄関マットに使われる伝統呼称は「ポシュティ(Poshti)」と呼ばれます。約60×90cm、ときに50×80cmの小品です。クムでは、玄関やソファ前のミニマットとして織られてきました。約60×90cmサイズの作品一覧から、現在のお取り扱いをご覧いただけます。
動画でご覧いただくと、サイズと厚みの感じが伝わりやすいかと思います。お住まいの玄関の幅と、靴を脱ぐ位置を考えて、収まるサイズをお選びになる方が多いです。
お選びになる前に確かめておきたいこと
玄関に敷くシルク絨毯を選ぶときに、私が長年お客様にお伝えしている目安をいくつか挙げます。
- 厚みが極端に薄い品は、ドアの開閉と擦れる可能性があります。実物の厚みは動画で確認しておく
- 下に滑り止めを敷くか、玄関の幅にぴたりと収まるサイズを選ぶか、どちらかにする
- 玄関は西日や朝日の当たる位置のことも多いです。色焼けは半年に一度の表裏ローテーションで防げます
- 濡れた靴で直接踏まないこと。これが一番大切です
シルクを玄関に敷くというのは、たしかに「贅沢」な選び方です。けれど贅沢というのは、値段の話ではなく、毎朝玄関を見るたびに気持ちが少し動く、という程度の意味だと、私は思っています。
もしご縁がありましたら、まずは動画で実物の様子をご覧いただくのが、一番話が早いかもしれません。
この記事に関連する作品
玄関に敷くシルクのペルシャ絨毯として、現在お取り扱いのある約60×90cmサイズの作品をいくつかご紹介します。詳しくは約60×90cmサイズの一覧もしくはシルク作品の一覧からご覧いただけます。